静岡市丸子のNPO法人高齢者リフレッシュセンター「スリーA」(増田末知子所長)は十二月、厚生労働省の本年度補助金を受けて、痴ほう介護予防の活動拠点として全国のモデルとなる「予防デイサービス」(仮称)を同市宇津ノ谷に開設する予定だ。
通常のデイサービスとは異なる施設で、独自の脳活性化訓練で脳機能の上昇を図り、痴ほうの進行を食い止める。全国に広がる“スリーA方式”痴ほう予防教室の拠点として、活用が期待される。
独自訓練で脳活性
計画によると、対象は要支援・要介護1、2度の介護保険認定者。脳活性化訓練は▽心を癒やし、笑顔が出るようにする▽脳リハビリとして、太鼓演奏、将棋や人形を使った頭の体操をする―の二本柱で実施する。
増田所長は「愛情に飢えている人が痴ほうになることが多い。寂しくないよう心を開き、リズムのある太鼓などで頭の回転を良くする」と説明。「大半が健康者の生きがいデイサービスと、要介護認定された人が参加するデイサービスの間が空白になっていて、この空白地帯に痴ほうのハイリスク者がいる。この空白地帯を埋めるとともに、介護保険費用の削減を目指したい」と意気込む。
スリーAが取り組んでいる事業では、「予防デイサービス」開設とともに、志太郡岡部町で実施している痴ほう予防教室「柏(かしわ)の会」も厚労省から本年度の「老人保健健康増進等事業」に認定された。ともに県内で初めての認定。
痴ほう予防教室は、スリーAと岡部町が共催する六年目の事業。今年は六月から十月まで毎週一回、岡部町内会館で開かれ、七十、八十歳代の女性十三人が「予防デイサービス」と同じ脳活性化訓練に取り組んでいる。
女性らは「これまでは家の中にこもりがちだったので楽しい」「知り合いができてうれしい」など週一回の参加を楽しみにしている。
静岡英和学院大人間社会学部地域福祉学科の皆川靭一教授は「精神科の看護師経験の長い増田さんならではのきめ細かな指導と優しい人柄でスリーA方式が評価され、全国に広がった。介護保険五年目の見直しの大事な時期に取り組む重要な事業」と予防デイサービスの成果に期待している。

【写真】リズムに乗って太鼓をたたき、脳活性化に取り組む「柏の会」の参加者ら=岡部町の岡部町内会館