~目的に向かって進もう~

                   NPO法人認知症予防ネット理事長 髙林實結樹


NPO法人発足までの経緯
 当法人立ち上げの基礎は、平成5年1993年に静岡の「NPO法人高齢者リフレッシュセンタースリーエー」増田末知子所長が、『看護と介護』という雑誌に公開された、認知症改善のデータ45人の平均値の高さ(MMSEによる6.7点の上昇)に感動したことであった。

 増田方式の教室はテストを行って、参加者のレベルを発症軽度者やMCIレベルに限定されたので、医療の専門知識が無い者には許されない教室であった。そのため、一般人でも実施可能な認知症の一次予防に力点を置いた健常者レベルの老人会などでのサロン的な形態での予防ゲーム普及活動に取り組んできた。
その中で、必要に迫られて健常者と発症した人の混合教室での効果をあげる方法を独自に研究し、ゲームの進行方法に工夫を凝らした結果、「みんなの認知症予防ゲーム」と呼称しているとおり、自ずと増田式ゲームとは違って状況の如何に関わらず、ゲームに使用する道具の工夫、扱い方も含め、全ての人たちに対応出来るものに深化し、地域、施設、会合など様々な場面でも活用されるに至っている。

今なすべき役割は何か
かつて認知症については偏見が充満していた。2025年問題を目の前にして現代は、医学知識のある人は発症域に入った認知症本人たちの改善を担当すべきであり、医学知識の無い人は個々人の能力または資格・専門分野によって一次予防に的を絞って
予防教室を担当し、両分野に於いて、国民的理解を普遍化し2025年問題に寄与して頂きたいと、心底より願う。